大野+都響の第九 感動した!
2017年12月26日、サントリーホールで大野和士指揮、東京都交響楽団によるベートーヴェンの交響曲第9番を聴いた。素晴らしかった。感動した。まず、大野の指揮が圧倒的だった。音楽の構成を明確にしたうえで、自然に音楽を作っていく。音に勢いがあり、メリハリがあるが、それがまったく不自然ではない。大時代的な巨匠風演奏ではないのだが、十分にスケールが大きい。第1楽章から深みに沈潜し、しかも大きく盛り上がってい...
View Articleエッシェンバッハ+N響の第九 私には感動をもたらさなかった
2017年12月27日、サントリーホールで、クリストフ・エッシェンバッハ指揮、NHK交響楽団によるベートーヴェンの交響曲第9番のコンサートを聴いた。その前に、勝山雅世のオルガンによってバッハの曲が4曲演奏された。ただ、勝山はバッハ演奏に定評のある人らしいが、オルガン曲をほとんど聴かない私としては、正直に言って良さがよくわからなかった。第九についても、実は私はあまり納得できなかった。エッシェンバッハは...
View Article映画「一票のラブレター」「卵」「ミルク」「蜂蜜」「シーヴァス」「そして、私たちは愛に帰る」「消えた声が、その名を呼ぶ」
このところ、ずっとイラン映画をみてきた。ネットで探すうちにトルコやレバノンなどの近隣の映画にも関心が広がった。今年の年末は、急ぎの仕事がないので、本を読んだり、音楽を聴いたり、DVDで映画をみたり。中近東の映画数本の感想を記す。 「一票のラブレター」 ババク・パヤミ監督 2001年...
View Article2017年の「ベートーヴェンは凄い」も凄かった!
2017年12月31日、東京文化会館で、「ベートーヴェンは凄い」を聴いた。小林研一郎指揮、岩城宏之メモリアル・オーケストラ。コバケン10回目のベートーヴェン全国響曲演奏。昨年は風邪、一昨年は父の死から間のない大晦日に母を一人にするわけにはいかずに欠席したが、その前は数年連続して聴いていた。3年ぶりの「ベートーヴェンは凄い」ということになる。...
View Article東京新聞・中日新聞の夕刊で連載開始 「65歳になったら、○○しなくていい宣言」
本日、2018年1月4日から、東京新聞・中日新聞の夕刊でエッセイ「65歳になったら、○○しなくていい宣言」の連載を開始した。これから3月末まで、60数回にわたって夕刊での連載を続ける予定だ。...
View Article見事な若手の弦楽四重奏団、そしてカウフマンの素晴らしい声
2018年1月6日、午前中と夕方、二つのコンサートを聴いた。 まず午前中に、上野学園石橋メモリアルホールで、「プロジェクトQ・第15章 若いクァルテット、ハイドンに挑戦する...
View Articleヘンデルのオラトリオ「テオドーラ」 テオドーラの凛とした美しさ
2018年1月14日、浜離宮朝日ホールでヘンデル作曲のオラトリオ「テオドーラ」を聴いた。第15回ヘンデル・フェスティバル・ジャパンのイベントだ。 このオラトリオを聴くのは初めて。そもそも、実はヘンデルを聴くこともほとんどない。が、数年前、ザルツブルク音楽祭でこのオラトリオが上演された時から、関心を持っていた。一度聴いてみたいと思っていた。...
View Articleカンブルラン+ファウスト+読響のブラームスと「運命」に興奮
2018年1月20日、パルテノン多摩大ホールで、読売日本交響楽団の演奏を聴いた。指揮はシルヴァン・カンブルラン、前半にイザベル・ファウストが加わって、ブラームスのヴァイオリン協奏曲、後半にバッハ(マーラー編)の管弦楽組曲から第2・3・4曲とベートーヴェンの交響曲第5番。凄い演奏だった。まず、前半のブラームス。ファウストが凄い。何気なく始まった感じがしたが、そんなことはない。しっかりした音。目立ったこ...
View Article新国立劇場「こうもり」を楽しんだ
2018年1月21日、新国立劇場で「こうもり」をみた。とても楽しかった。 全体的に高い水準の上演だと思う。歌手陣もいいし、オーケストラもいいし、演出もおもしろかった。...
View Article「ワルキューレ」「さまよえるオランダ人」「アラベラ」のオペラ映像
原稿を書く仕事が一息ついたので、オペラのDVDを何本か見た。簡単な感想を書く。 ワーグナー 「ワルキューレ」2017年 ザルツブルク祝祭大劇場 昨年の夏にNHK・BSで放送されたものと同じ映像だと思う。...
View Article映画DVD「少女ヘジャル」「もうひとりの息子」「オマールの壁」「キャラメル」「過去のない男」「街のあかり」
中東の映画のDVDを何本かみた。感想を書く。 「少女ヘジャル」 2001年 トルコ ハンダン・イペクチ監督...
View Articleジャッド+新日フィルのロッシーニ「スターバト・マーテル」は超名演だった!
2018年1月26日、新日本フィルハーモニー交響楽団のアフタヌーンコンサートを聴いた。曲目は、前半にハイドンの交響曲第100番「軍隊」、後半にロッシーニの「スターバト・マーテル」。素晴らしい演奏だった。とりわけ、「スターバト・マーテル」は超名演といってよいのではないか。...
View Articleミャンマー旅行 その2
昨日に引き続き、ミャンマー旅行の感想を書く。 なお、「ミャンマー旅行 その1」に写真を挿入しようとしたのだが、先日、スマホを買いなおしたせいか、それができなかった。技術を身に着けたら、後ほど写真を加えることにする。 4日目 1月30日...
View Article慶児道代(ソプラノ)、石井里乃(ピアノ)のみごとなチェコ語のリサイタル
2018年2月2日、東京文化会館小ホールで慶児道代(けいこ・みちよ)のソプラノ・リサイタルを聴いた。すべてチェコ語による歌唱。ピアノ伴奏は石井里乃。ヤナーチェク友の会の誘いを受け、しかも「イェヌーファ」の抜粋が聴けるとのことで、出かけたのだった。とても良い演奏だった。曲目は、前半はスメタナの歌曲集「夕べの歌」とドヴォルザークの歌曲集「聖書の歌」。後半はヤナーチェクの「イェヌーファ」、ドヴォルザークの...
View Article映画DVD「過去のない男」「街のあかり」「パラダイス・ナウ」「歌声にのった少年」「クーリエ」
カウリスマキ監督とハニ・アブ・アサド監督の映画をDVDでみた。感想を書く。「過去のない男」 フィンランド映画 アキ・カウリスマキ監督 2002年 カウリスマキ監督らしい、ちょっととぼけた、心温まる映画。しかし、そうでありながら、真摯に世界を見つめているので、決しておめでたくはない。静かな映像も魅力的だ。...
View Articleポンマー+札響のベートーヴェン6番5番 好きな演奏ではなかった
2018年2月6日、サントリーホールで札幌交響楽団東京公演を聴いた。指揮はマックス・ポンマー。今年の3月で首席指揮者を務めたわけだが、私は、初めてこの指揮者の演奏を聴いた。曲目は前半にベートーヴェンの交響曲第6番「田園」。後半に第5番(運命)。 結論から言って、あまり好きな演奏ではなかった。...
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